ずっと僕らは二人で。
永遠に二人きりでいられると、信じていたんだ。
久遠をねだっていたのは、僕一人だなんて気付かずに。
「効率のいい労働のために、休憩時間を取ろうよ兄弟!自主的に。」
「うーん、前も休憩しちゃったから、そろそろお給料に響かないから僕心配だよ、兄弟。」
のんびりとした、しかし己と同一の響きにディーは考え込む。
「そういえば、前はあのひよこうさぎに捕まっちゃったんだっけ。また追いかけてくるかなあ。うざいなあ。ね、兄弟。兄弟?」
ぼぅっとなったダムをディーはいぶかしむ。ダムはどこかのんびりとはしているが、ぼんやりとしていることは少ない。
「そっかあ。追いかけてくる、よね。うん、やっぱりさぼろう兄弟。」
帰ってきた答えに、ディーは驚く。
「え、でも兄弟。お給料のことは?減っちゃうかもしれないよ?」
慌てる。どうしてこんなに慌てているのかも分からないまま。彼の片割れは、ケチで、守銭奴で、お金が大好きで。
「どうとでもなるよ。それより、どうせだからあのひよこうさぎ用にイタズラを仕掛けておこうよ、兄弟。」
ふわっと笑ったダムに、気付く。気付かせられる。自分じゃ気付いていないかも知れないけれど、ディーにわからない筈がなかった。
とっても楽しそうに、とっても幸せそうにダムは微笑んでいた。
恋をしている、表情だった。
「………そうだね、兄弟。とびっきりのを仕掛けてやろう。」
「ふふ、楽しみだね。」
(僕は全然楽しくないよ、兄弟)
ずっと分かち合えていた楽しさが、今は共有できない。ディーのこの苦しさがダムには分からない。
二人はずっと一緒だったはずなのに。
わかたれてしまった。
もう、いっしょには戻れない。
その絶望に、ディーは一人ぼっちで打ちのめされた。