腐りとけた林檎ジャム


きいこ様




私の目の前には片腕を落とした貴方。ああ痛かったことでしょう辛かったことでしょう。私の目の前には両腕を落とした貴方。ああ痛かったことでしょう辛かったことでしょう。私の目の前には片足を落とした貴方。ああ痛かったことでしょう辛かったことでしょう。私の目の前には両足を失った貴方ああ痛かったことでしょう辛かったことでしょう。私の目の前には頭が落ちた貴方ああ痛かったことでしょう辛かったことでしょう。私の目の前には貴方の頭。ああなんという幸福でしょうなんという至福でしょう。私はただ貴方の傍にいたかっただけなのにあなたが私を選ばなかったからですよ。仕方のないことなんですしょうがないことなんです。だから私は少しずつ貴方の体を貴方から奪いました。私はあなたを愛しているのですから傍にいたいのは当然でしょう。何故貴方は私を選んでくださらなかったのでしょう。ああ安心してください、貴方の愛したアリスですがちゃんと私が殺しましたよ。きちんとゴミ箱にいれましたよ。今頃は腐り落ちていることでしょう。ねえ、何故私では駄目だったのでしょう。

私の目の前には貴方の身体で作られた、私の作った料理。料理の奥には貴方の頭。貴方の顔をいつでも見られるだなんて幸せです幸福ですああ、「いただきます」ずっとずっと傍に居たいのです。